日本のシステムはよく知らないのですが、
フランスでは、妊娠したら、産婦人科医のところに通い、
妊娠後期に産院での診察に切り替わります。

産婦人科医は、多分、普通のアパートの一室に診察所を
構えていることが多く、そこでは出産できません。

私は、パリで日本語通じる産婦人科医のドウェイブ先生のところに
行っていて、産院は、先生が一週間に何回か勤務されている
Centre Hospitalier des quatre villesという産院で出産することに決めました。

別に、自分がかかっている産婦人科医が所属している産院でないと
出産してはいけないという決まりはなく、ドウェイブ先生のところに行っていても、
別の産院で出産される妊婦さんもいるそうです。
ただ、産院によっては、所属している産婦人科医の担当している
妊婦さんしか受け付けないというところもあります。

この産院、Centre Hospitalier des quatre villesは、
パリの西に隣接したサン・クルーにあります(駅から3-5分)。

きょうは、そのCentre Hospitalier des quatre villesの感想、レビューを
記事にしたいと思います。

先に言ってしまうと、私はこの産院、大満足でした。
2人目が出来たらまたここで産みたいです。

一番良かったのは、優しく、親身になってくれる助産師さん(sage-femme)が
たくさんたくさんいたことです。

この産院は、以前はセーブルにもあったのですが、
今はサンクルーのほうに統合されて、とても規模の大きな産院になっています。

助産師さんも60人いるって言ったかな???

なので、何か問題があったときの対応も安心です。

私は、弛緩出血という、出産後に子宮がうまく収縮しなくて
出血が止まらない状態になり、出産直後の処置が割と大変だったのですが、
10人くらいの専門家の人たちがうぁーっと一気にテキパキ対応してくれました。

弛緩出血自体は、比較的よくある問題のようですが。

たくさんのスタッフがいる、大きな病院だと、大切なのはスタッフ間の連携
だと思うのですが、感心したのは、引継ぎがちゃんとされていて、
昼間のスタッフと約束した処置でも、夜のスタッフがちゃんと忘れずに
声をかけてくれたり、対応してくれたことです。

色々な役割をするスタッフがいるので、自分に関わるスタッフの人数は
けっこうな数になるのですが、みんな自分の仕事をちゃんとこなすプロって
感じで、チームワークもよくて、本当に安心して過ごせました。

また、例えば、授乳の相談をしても、助産師さんによってアドバイスが
多少違ったりしたのですが、それが逆に、いろいろな考え方や
方法を知ることができて、とてもよかったです。

嫌なスタッフは、弛緩出血の対応で子宮の具合を確認しに来た、
変な子分みたいのを2人引き連れてやってきた
産婦人科医の若い女医だけ(その子分含む)。
お腹の触り方が、めっちゃ冷たい手で、
痛っい触り方で、患者の苦痛なんて全く気にしておらず、
全体が上から目線の偉そうな態度。
他のスタッフ数人からも同じチェックをされたけど、とびぬけて苦痛だった。
すんごい下手なインターンかと思っていたので、
「私産婦人科医の○○よ」と自信たっぷりに偉そうに
自己紹介されたときはびっくり。

そして、こっちは疲れ果てて頭がもうろうとして何言ってるかフランス語聞くの
困難なのに、立ち去りながら子分が私について、「彼女よく(フランス語)わかんないのね」
と余計な事を言っていたのが聞こえて、ものすごくイラッとしましたが、
それ以外の人はみんな親切で優しかったです。

今度日本に旅行に行く予定があるんだ、という人とか、
知っている日本語の単語、「アカンボウ」とか片言で話してくれる人とか、
私のbébéを本当にかわいいと思ってくれてるんだなぁという
感じで手伝ってくれたり、話しかけてくれたりする人とか。

もちろん、ちょっと「?」という人もゼロではないと思うし、
ドウェイブ先生も、「嫌な助産師さん(sage-femme)がいたら、
名前メモして教えてください。そうしないとよくならないから。」、
と言っていたけど、
幸い、そんな人には出会わなかったし、フランスで普通に生活していて
不快に感じる頻度と比べると格段に居心地よかったです。

建物も、外から見るとそんなに綺麗に見えませんが、
比較的新しくて、明るくて綺麗な産院です。

部屋は、2人部屋と1人部屋があって、
ムチュエルでカバーされるようであれば、1人部屋がおすすめ。
1人部屋は、一泊90ユーロ弱ぐらいだったと思います。

マタニテに支払う費用は、この部屋代だけなはずです。
我々はそうでした。
なぜなら、他はセキュリテソーシャルでカバーされるから。

ちなみに、私たちのムチュエルは、
それ以外の費用を600ユーロまで出しますよ、
というスタイルでした。

WIFIは、申し込めば1日たしか4ユーロぐらいで使えます。

1人部屋の設備は、
  • ベッド(高さや、背中部分を起こしたり角度を変えられる)
  • トイレ&シャワールーム
  • おむつ買え台
  • 洗面化粧台
  • おむつ用ゴミ箱と普通のゴミ箱
  • 赤ちゃんのベッド
  • テーブルと椅子
  • 冷蔵庫
こんな感じでした。

また、
  • 入院中にbébé使うビタミンD、ビタミンK、
  • おしりふき用コットン
  • おむつ1パック
  • へその緒の乾燥材
  • 鼻の掃除のときに使ったりする生理食塩水
  • 赤ちゃん用ボディソープ(ビオ)
  • 産褥ショーツ2枚
  • 産褥パッド1パック
  • 女性器を洗うためのソープ(ビオ)
が用意されていました。

これらは余れば自宅に持って帰っていいし、
退院後に使うビタミンDやへその緒乾燥材とかは、
退院時に処方箋を書いてくれました。

引き出しの中に、赤ちゃんにいつ授乳をした、ミルクをあげたかを
退院後も記録できる冊子も入っていて、退院後はこれで
しばらく記録をしていました。

それから、授乳の手引きとか、退院時の手続きについて、テーブルの上に
書類も置いてありました。

授乳については、最初3日ぐらい母乳が出てる様子がないので
いろんな助産師さんに何度も相談しましたが、
「最初3日はそれがあたりまえよ!」とみんな言っていました。
あと、アジア人女性は母乳が出るのに少し時間がかかると
言っていました。
色々と授乳のポジションを教えてくれたり、
初めて母乳が出るのを確認したときは、助産師さんに乳輪を
マッサージしてもらったときでした(感動!)。
みんなとってもフレンドリーでやさしかったです。

ちなみに、母乳が全然出てなくて、bébéがお腹が空いて
泣き続けている様子だったので、ミルクを足すことになったのですが、
そのミルクも、開封してすぐあげられる、哺乳瓶状のボトルに
入っているやつを必要な分すべて準備してくれました。

食事はよくないという噂だったので全く期待していなかったのですが、
私的には、病院なんだしこんなもんじゃない?
という感じで、普通、でした。

食い意地が張っている私は、いつも完食してました。
初日は塩気がほとんどない療養食みたいな感じですが、
そのあとは、肉の煮込みとか、サーモンのテリーヌみたいのとか。
だいたいお昼ごはんが美味しくて一番好きだったかな?
朝は、パンにジャム、ヨーグルト、チーズ、果物とかで、
コーヒーか、ミルクか、ショコラショーか選べました。
あ、15時ぐらいにお茶の時間もあって、クッキーと飲み物が出ました。
このお茶の時間のショコラショーが朝のより濃くて美味しくて
ほっこりでした。

退院するときは、3日目以降とかに、
朝、黄疸とか、体重がちゃんと増えているかとかを確認して、
退院できますと言われたら、お昼12時までに出てね、
という感じで結構あわただしいです。
私たちはちょっと12時過ぎちゃったけど。。。

産院をでるときは、名残惜しかったです。

外に出たら、こんな風に自分の赤ちゃんを大切に
扱ってくれる人たちはいなくなるんだぁと思ったら
さみしくなりました。

が、いざ退院してみると、フランスって、赤ちゃん連れてると
いろいろ話しかけてくれたり、喜んでくれたり、
大切にしてくれるので、この点ではなんていい国なんだろうと
思っています。

というわけで、Centre Hospitalier des quatre villes、私的には
とってもお勧めです。

そういえば、出産前には、6回ぐらいかな?
出産に関する授業を開講してくれています。
少しでもフランス語が分かって時間があるなら
行くことをお勧めします。
無料なはずです。
妊婦生活、出産、産後の家での生活について、
授業をしてくれます。

内容が薄い回もありましたが(そういうときは盛り下がる雰囲気)、
濃いときもあって、
そういうときは、とっても興味深かったです。

回によって、旦那さんと一緒にも行けます。

必須ではないけれど、ためになる情報もいろいろと
得られます。